世界の王様の中には戦上手で領土を広めた者もいれば、政治が上手く外交や内政によって安定した統治を実現した王もいます。偉人として評価される優秀な王はどちらかに秀でていたか、もしくはどちらの二面性を持った王が多いと思います。
ですが、今回はあえて王様らしからぬダメダメな王様をご紹介していきたいと思います。優秀な人が脚光を浴びるのは当然ですし、見習うべきこともたくさんあると思いますが、失敗した偉人達からも見習うべきというか、学ぶべき教訓のようなものもきっとあります。あるべきです。
ここまで前置きを書いてから思ったのですが、今回紹介するダメダメな王様から、学ぶべき教訓はハッキリ言ってありませんでした。
それくらい、根本的にダメな人達が多いですが、最後までお付き合いくださると大変嬉しく思います。
- 暴君 ネロ
- 狂王 ルートヴィヒ二世
- エジプト最後の王 ファルーク1世
- 狂気王 シャルル六世
- 幼稚な王だったとされる ピョートル三世
- 荒れた生活を送った王 クリスチャン七世
- 失地王 ジョン
- 不老不死を求めた 始皇帝
- ローマ史上最低の皇帝 カラカラ帝
- リアル狼少年 幽王
- 無能な騎士王 セバスティアン1世
- まとめ
暴君 ネロ
まずは暴君で有名なネロです。16歳で即位したネロは当初は稀にみる善政であったが、不安が爆発して、母親殺して自由になると、やりたい放題をはじめた。奴隷の少年を去勢して妻に迎え入れたり、女装して哲学者と結婚したりと自由奔放に振る舞い、極めつけは「ドムス・アウレア」の建設です。ローマ火災の災害地に建設された宮殿で、ネロは歌手になることが夢だったらしく、宮殿でリサイタルを開いたのです。しかもお世辞にも歌は上手くはなかったらしい。また四年の一度のオリンピア(オリンピック)に対抗してネロ祭を開きました。贅沢の限りを尽くしたネロの最後の言葉は「世界は優れた芸術家を失う」だそうです。最後まで皇帝の自覚がなかったようです。
狂王 ルートヴィヒ二世
バイエルン王国の第四代国王。建築王や「狂王」と呼ばれるゲイの王様で生涯を独身で過ごした。内気でファンタジーなものを好んだルートヴィヒ二世は音楽と建築にとんでもない浪費を繰り返した。自分の世界にのめり込んだルートヴィヒ二世は昼夜が逆転したような生活をするようになり、ついには廃帝されてしまい、監禁までされて浅瀬で水死するという不可解な死を遂げた。ちなみにルートヴィヒ二世が建築したノイシュヴァンシュタイ城はその美しさからディズニーランドのお城のモデルにもなっています。
エジプト最後の王 ファルーク1世
「腐ったメロン」と呼ばれるファルークは、第二次世界大戦に関わる重要な会議であのウィンストン・チャーチルから懐中時計を盗んだとんでもない奴である。その盗人のテクニックは常習犯から指南してもらったらしい。しかもギャンブル狂で高級車を乗り回しては、ナイトクラブやカジノに入り浸った。のちに軍事クーデターを起こされて退位させられたファルークは120キロを越える肥満となり、45歳で心臓発作で突然死した。
狂気王 シャルル六世
シャルル六世はフランスの王で、「自分の体はガラスで出来ていて壊れやすい」と言う妄想に取り付かれた精神異常者。国民から信頼されていたシャルルは「親愛王」と呼ばれていたが、二十代半ばに精神病を発症した。母の一族からの遺伝とされる精神病は、強迫観念や記憶障害を引き起こした。あげくイングランドに騙されて、「フランスの王を継承するのはイングランド」的な条約を結んでしまった。こうして長い戦争がはじまったそうだ。
幼稚な王だったとされる ピョートル三世
妻にクーデターを起こされて、僅か半年で廃帝した。二十歳を越えても兵隊のおもちゃで遊んでいたとされるピョートル三世でしたが、農民に有利な政策をしていたので国民からはそこそこ支持を集めていました。なにがあかんかったって、とんでもないドイツ好きだったからです。なかでもドイツのフリードリヒ大王を崇拝していたピョートル三世は、七年戦争で勝てそうだったのに軍を引くと言い出しました。これに乗じたのが結婚当初から仲の悪かった妻エカチェリーナです。ピョートル三世の政策や七年戦争での行いで不安を持った人たち説得したエカチェリーナに無血で廃帝を成功させられた。
荒れた生活を送った王 クリスチャン七世
デンマーク王のクリスチャン七世はただれた性生活を送った王だ。なんでも総合失調症だったらしい。そんな人物が王様ってのもおかしな話だが、症状が現れていないときは明瞭な判断ができたらしい。しかし、当然ながら支離滅裂な政策のおかげで国が左右されることもあった。特に凄いエピソードは、公で「一人の女性を愛するの時代遅れ」と女遊びをドンドンするぜと公言したことだ。
失地王 ジョン
たぶん一番有名な無能な王様らしい。前王である兄のリチャードと比べると能力不足を指摘されるし、リチャードが戦争に明け暮れて、多額の身代金を払ってからの即位もあってかなり苦労したのではと思う。フランスに攻められたイングランドは全ての領土を奪われてしまいました。ジョンはとにかく戦争で全く勝てなかったので、「腰抜け」とかガンガン言われたそうです。しまいには「マグナ・カルタ」によって王様の権限を制約されてしまいました。
不老不死を求めた 始皇帝
中国初の皇帝である始皇帝は人気漫画「キングダム」のモデルにもなっている皇帝である。自身を中国統一を初めて果たした上位の王として『始皇帝』を名乗った。巨大な国家を一人に集中するような政治体制を取ることで広大な領土でも安定し統治を実現した。統一と安定した統治を実現した始皇帝であったが、まだまだ怖いものがあった。それは『死』である。始皇帝は、全国民、医者や兵士、商人までにも不老不死になる薬を探すように命令しました。その不老不死の薬はどういうことなのか「水銀」が含まれていた。日常的に服用していた始皇帝は水銀中毒で亡くなったそうだ。
ローマ史上最低の皇帝 カラカラ帝
多くの歴史家が史上最悪のローマ皇帝にカラカラ帝をあげるほどの最悪の皇帝です。大浴場を建設したカラカラ帝ですが、とんでもないインフラに陥ってしまった。また、悪口を言われたとアレクサンドリア市民の大虐殺を命じて、人口の半分である50万人の市民が殺された。
リアル狼少年 幽王
イソップ寓話に退屈しのぎで嘘をついていた少年が本当のことを言っても信用されなかった話があると思いますが、中国の王である幽王はまさにリアル狼少年です。救援のときに狼煙をあげるルールがあったのですが、幽王は間違いで狼煙を上げてしまいました。ですが騒然とする部下を見て幽王は爆笑。それから何度か狼煙を上げて楽しむようになってしまいました。なので、本当に敵に攻め込まれたとき、狼煙を上げても誰も駆け付けてくれませんでした。
無能な騎士王 セバスティアン1世
ポルトガルの王。当初は『待望王』と呼ばれていた。世継ぎに恵まれなかったのでポルトガルの王位はスペインに奪われる事になる。そんな中で生まれたのがセバスティアン1世だ。生まれた瞬間から期待されていたセバスティアンは自身特別であると勘違いしていた。成長するにつれてキリスト教にのめり込んでいき、特に十字軍に強い関心を向けた。モロッコでクーデターが起こると、セバスティアンは張り切って軍を編成して鎮圧に出向いた。しかし、所詮は経験の浅い青二才。浅はかな判断をして、大敗北。自身を行方不明となった。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
王様って言っても、ただの極悪人と、精神的に問題を抱えた人達のご紹介になってしまいました。