チキンのネタ倉庫

歴史、偉人、雑学、エンタメを簡単に紹介したいブログ

『蕭何』戦場に一度も立たずに漢の三傑筆頭とされた男の生涯

論功行賞の場で、劉邦は思いもよらぬ発言をした。 「功績第一は蕭何である」 居並ぶ将軍たちはざわめいた。項羽との死闘を戦い抜いた歴戦の武将たちを差し置いて、なぜ戦場に立ったこともない文官が一番なのか。中には正面から異議を唱える者もいたという。…

『張良』始皇帝暗殺に失敗した男が、なぜ劉邦を天下人にできたのか

橋の上で、一人の老人が靴を川に落とした。 「小僧、拾ってこい」 見知らぬ老人にそう命じられた青年は、腹の中では強い怒りを覚えながらも、黙って川に降りて靴を拾い上げた。老人はさらに、その靴を履かせろと命じる。青年は膝をつき、老人の足に靴を履か…

『楚漢戦争と英雄』英雄の視点で読む秦崩壊後の覇権争いを簡単に解説

天下無双の武人と、どうしようもないクズ。 そう評される二人の男が、秦という巨大帝国が崩壊した後の中国で、天下を賭けて激突した。名家出身で「敵なし」と謳われた項羽。農民出身で怠け者、女好きで人望だけはあった劉邦。誰もが項羽の勝利を疑わなかった…

『小スキピオ』祖国のライバルを完全消滅させた男の複雑な心境

「今栄華を誇るローマも、いつかは同じ運命をたどるだろう」 燃え盛るカルタゴを見つめながら、そう呟いたとされる男がいる。 自分自身がその都市を滅ぼした張本人であるにもかかわらず。 勝者でありながら、勝利を手放しでは喜べなかったらしい。祖父の代か…

『アルキメデス』私の円を踏むな。数学者が最後まで貫いた矜持

「私の円を踏むな」 これが、歴史上最も偉大な数学者の一人が遺した最後の言葉だったとされる。剣を交える兵士でも、采配を振るう将軍でもない、一人の老学者が最後に発したこの一言は、以後2000年以上にわたって語り継がれることになった。 戦争が街を焼き…

『ハミルカル・バルカ』息子に生涯ローマを憎めと誓わせた男の生涯

歴史上最大の対ローマ復讐劇には、実は前段がある。 象を連れてアルプスを越え、ローマを震え上がらせたハンニバル。だが彼がそこまでローマを憎むきっかけを作ったのは、他ならぬ父親だった。 負け戦の将軍でありながら、息子に生涯消えない誓いを立てさせ…

『シャルル5世』剣を握らず百年戦争を有利に進めた「賢明王」を簡単に解説

「武芸は他の人に任せておけばいい。私のすることはこれだ」とシャルル5世は、剣ではなく書物を手に取った。 父ジャン2世は戦場でイングランドに大敗して捕虜になる。エドワード黒太子という最強の敵を前に、フランスは絶望的な状況だった。 その息子は、剣…

『ポエニ戦争と英雄』英雄の視点で読む地中海覇権の100年を簡単に解説

地中海の覇権を賭けて、二つの大国が100年以上にわたって争い続けた。 共和政ローマと、フェニキア系の商業国家カルタゴ。三度にわたる戦争の末、一方は地中海全域を支配する超大国になり、もう一方は地図から完全に消し去られた。 象を連れてアルプスを越え…

『パウサニアス』ペルシア戦争を終わらせた英雄が神殿で餓死した話を簡単に解説

息子を餓死させるために、父は煉瓦で神殿を塗り固めた。 餓死直前の息子を神殿の外に引き出して、スパルタ人はその遺体を国境の外に打ち捨てた。 ペルシア戦争を終わらせた英雄の最期だ。 今回はパウサニアスの生涯を簡単に解説していこうと思う。叔父はテル…

『ヘンリー7世』王位継承権はほぼ皆無、それでも30年戦争を終わらせた男

血統だけで言えば、王位に近い人物では到底なかった。 ランカスター家の血を引くとはいえ、母マーガレット・ボーフォートの家系は、庶子の血筋という制約付きで王位継承権から除外されていた家系だ。 エドワード4世やリチャード3世に比べれば、王位継承権の…