江戸時代の日本を舞台に聖杯戦争が勃発する。今回はFateシリーズの完全新作であるFate/SamuraiRemnant(フェイト サムライレムナント)の登場サーヴァントの元ネタを適当に解説したいけど、不確定要素が多いです。なのでネットでの情報、推測をまとめた感じになります。
ストーリー
慶安四年(一六五一年)、江戸。
かの神君家康公の開府より四十八年、徳川の治世は四代目将軍・家綱へと受け継がれていた。江戸に住まう民は日ごと増え、その繁栄を謳歌しているかに見えたが、相次ぐ大名の改易や取り潰しにより、巷には浪人が溢れ、泰平の世にわずかながら翳りが差して見えた。
そんな江戸の一町、浅草の長屋街に、一人の青年がいた。
名を宮本伊織。
かの大剣豪・宮本武蔵の弟子にして養子である。仕官の道を選ばず、剣の腕を鍛える日々を送る伊織は、ある日己の手の甲に見慣れぬ痣が浮かんでいるのに気付く。
それは、血煙と謀略の渦巻く恐るべき戦いに、伊織が我知らず身を投じることになる兆しであった。万能の願望機たる"盈月"を巡る戦い――”盈月の儀”。
儀の担い手たる七人の"願いし者"、すなわちマスター。
マスターにより現世へと喚ばれた七騎の英霊、すなわちサーヴァント。七人七騎の主従による殺し合いが、幕を開ける。
「────察するに。きみが、私の喚び人か」
登場人物
セイバー陣営
マスター 宮本伊織
(1612〜1678)
宮本武蔵の義理の息子。昨今の研究で武蔵の実兄である田原久光の次男であることが有力だそうだ。つまり血縁的には宮本武蔵の甥の可能性が高い。15歳の頃に武蔵の推薦で、明石藩主の近習となった。出世頭となった武蔵は二十歳で執政職についた。その後は移転して2500石、島原の乱では侍大将として活躍したことで合計で4000石を与えられた。
セイバー ヤマトタケル
ヤマトタケルは天皇の子供で生まれながらにして、怪力の持ち主だった。怪力で兄を殺害したことで、恐怖の対象となり父から煙たがれる。16になると九州の豪族を討伐を命じられて、女装して宴に潜入することで、暗殺を成功させた。その後も勢力を拡大していくが、どんなに活躍しても、父からは今だに恐れられることになり、すぐに遠征を命じられた。その後は草彅の剣を手に入れて神との戦いに投じることになる。過酷な戦い、時には恋人を失うなど犠牲もあった。とある雪山に草薙の剣を持たずに登ったが、過酷な環境に衰弱して気を失った。下山を余儀なくされる。途中で山の神と出会っていたが、配下だと思い本来の目的すら果たせなかった。下山後は故郷を目指したが、体は既にボロボロで、帰路で亡くなった。
アーチャー陣営
マスター 鄭成功
(1624〜1662)
日本人の母を持つ中国の政治家にして軍人。清の侵略に苦しむ明を救済することを掲げて戦い続けた。清を打倒して負け戦を続けていくが、台湾に渡って体勢を整えることを目指した。結果として東インド会社(オランダ)を討ち滅ぼして、新たに政権を打ち立てた。目標であった打倒、清は果たせずに亡くなるが、台湾や中国では英雄とされる。
アーチャ 周瑜
(175〜210)
名家の出身であった周瑜は反董卓連合で活躍した孫堅の息子である孫策と出会い同い年であること持って意気投合する。大きな屋敷を孫策に一家に譲るなど、家族ぐるみで親交を深めた。孫策が袁術からの独立を果たす上で周瑜は協力するようになり、やがて袁術を見切って孫策の配下となる。孫策が急逝すると孫権の配下となった。赤壁の戦いでは劉備軍と同盟を結んで戦った。大軍で迫ってくる曹操軍を見て、周瑜が勝てると自信を示すが、劉備は関羽や張飛と共に軍を動かさなかった。それでも周瑜は軍を動かして曹操軍を退いた。赤壁での大勝利によって曹操は大ダメージを負っていた。この期に軍を整えて、進軍を計画していたが、病気によって急逝した。
ランサー陣営
マスター 山田 右衛門作(やまだえもさく)
島原の乱で唯一生き残りとされる人物。ポルトガル人に西洋の画法を習ったことがあるとされている。島原の乱では、天草四郎につぐ副将して戦った。乱が鎮圧されると江戸に連行された。その後の消息は不明である。江戸で暮らしたとか、帰郷して病死したとか、海外に渡ったとか。
ランサー ジャンヌ・ダルク
(1412〜1431)
オルレアンの乙女と呼ばれたフランスの聖女。フランスは百年戦争によって停滞していた。国家の存続も危ぶまれるような事態と言えた。そんな中で救世主のごとく現れたのが、ジャンヌ・ダルクだ。ただの農民の娘であったジャンヌは、神のお告げを聞いて、フランスを救い、シャルル皇太子を即位させると言い切った。これを面白と思ったシャルルは彼女を同行させる。期待通りにオルレアン開放をすることに成功させて、シャルルをフランスの王に即位させたのだ。しかし、続く戦いの最中で捕虜となり、ジャンヌは魔女として糾弾されることになり、火炙りにあった。
ライダー陣営
マスター 由比 正雪
(1605〜1651)
江戸時代の軍学者。由比 正雪の乱の首謀者。中国の名軍師、張良と諸葛亮から由来した軍塾「張孔堂」を開いた。一時期は3000人の門下生がいたと言う。江戸幕府の3代目将軍徳川家光の死をきっかけに、各地の浪人を集めて挙兵したことで有名。浪人に対する対応を改めること、幕府への不審からの挙兵だったと言われている。由比 正雪は殺害されて、その遺体は磔にされた。戦いには敗北したが、4代目の将軍は幕府の方針を変えることになる。
ライダー 丑御前
「丑御前伝説」に登場する鬼神。源満仲の子供であり、酒呑童子や土蜘蛛退治で知られる源頼光の兄弟でもある。生まれならにして鬼のような異形で誕生した。異形として生まれたことで、父である源満仲に殺害されたはずだが、実は生きていて女官によって密かに育てられた。成長した丑御前は一代勢力を築いて、満仲に戦いを挑んだ。そして、兄弟である頼光と戦い、絶命する。
キャスター陣営
マスター 土御門泰広
安倍晴明の子孫の一族。ほぼオリジナルキャラクターと思われる。
キャスター 稗田阿礼
稗田 阿礼 (ひえだのあれ)は、飛鳥時代から奈良時代にかけての官人であり、古事記の編集に携わったのことでも知られれる人物です。名前は知られているが、どんな人物だったのかは不明であるとのことです。28歳の頃に記憶力の良さを買われて、役人になったとか。江戸時代に稗田 阿礼は女性説が浮上したと記録が残っている。
アサシン陣営
マスター ドロテア
実在の人物であるフレデリック・コイエットの娘。こちらもおそらくはオリジナルキャラクター。フレデリックは長崎に訪れたことがある東インド会社の社員だそうなので、鄭成功との因縁があると思われる。
アサシン 甲賀三郎
諏訪地方の民話の登場人物。春日姫と結婚して幸福に過ごしていた三郎だったが、春日姫が行方不明になってしまう。穴に閉じ込められた嫁を助けるが、兄たちの策略で穴から出られなくなった。それで異世界に転移した。国王の娘と結婚して13年以上も過ごすことになるが、春日姫が忘れられなくて、地上に戻る決心をする。千日かけて地上に戻るが、体が蛇になっていた。僧侶に助けられて、元の人間に戻った三郎は春日姫と再会を果たした。
バーサーカー陣営
マスター 高尾太夫
高尾太夫は襲名制で、代々最高の花魁のみが名乗ることを許された名前である。おそらく初代とされているらしい。
バーサーカー 宮本武蔵
(1582〜1645)
宮本武蔵は、生涯で一度も負けることがなかったとされ、現代でも「剣聖」と謳われる最強の剣豪である。武蔵が晩年に著した「五輪書」によると、13歳で初めて決闘を経験して勝利、16歳で兵法者に勝利、21歳で京の吉岡一門を壊滅させたらしい。有名な巌流島での決闘など、数々のライバルに勝利した。武蔵の編み出した「二天一流」は、二刀流として有名であるが、他の流派でも二刀流は存在した。武蔵はあくまでも、片手で自在に刀を操れるようになれば、戦略が増えると言う考えだった。片手で刀を扱える怪力だった武蔵だからこその戦略だったのかも知れない。
逸れのサーヴァント
セイバー
木曾義仲
(1154〜1184)
源頼朝、義経の従兄弟。叔父とともに平家討伐を掲げて兵を率いた。圧倒的な強さで平家を打ち負かして、京に入るが、平家の統治を失った京は無政府状態だった。その後も活躍を続けたことで征東大将軍に任命された。しかし頼朝と敵対関係になり、義経との戦いに敗北した。
アーチャー
アルジュナ
インド神話の英雄。インドラから武器をもらいたくて会いにいくが、シヴァに会うように言われて、ジヴァを探す旅に出た。シヴァに会うには過酷な修行が必要であることを聞いて、森で絶食して、過酷な日々を送ることになる。苦行の果てにキラータと出会い、熾烈な戦いが始まったが、アルジュナは敗北する。満足したキラータは自身こそがジヴァであると、正体を明かした。気に入られたアルジュナはシヴァから最強の武器を授かった。
ランサー
クーフーリン
ケルト神話の英雄。王の番犬を誤って殺したことで、番犬になると公言したことからクーフーリンと呼ばれた。魔法と武道を極めたクーフーリンは最強の戦士となる。女王メイブとの戦いでは圧倒的な強さを見せつける。しかし、親友や息子と戦わされるなど、精神的な攻撃が続き。さらには弱点を突かれたことで大幅に弱体化してしまう。極めつけは最強の武器ゲイボルグを奪われて、腹を突かれた。瀕死の状態でも最後まで戦い続けた。
ライダー
玉藻前
モデルは玉藻前。平安時代の後半に鳥羽上皇の寵愛を受けた女性。天下一の美女とまで呼ばれるほどの美貌と、教養を兼ね備えた女性だった。その正体は九尾の妖狐である。各国を滅ぼしたとされる大妖怪だったのだ。陰陽師によって正体を看破された九尾は逃走するが、討伐された。
キャスター
キルケー
ギリシア神話に登場する魔女。薬学と変身魔法を得意とした。トロイア戦争が終結させたオデュッセウスはとある島の宮殿に出向いた。そこには猛獣がたくさんしたが、襲ってはこない。それどころか船員たちと馴れ合った。猛獣たちはキルケーによって魔法に変えられた船員たちだったのだ。事前に攻略方法を知っていたオデュッセウスはキルケーの魔法が効かなかった。オデュッセウスが気に入ったキルケーは船団の滞在を許した。
アサシン
李書文
(1864〜1934)
太極拳を考案した中国の武道家。貧乏な家の出身だったが、武道の才能はピカイチで幼少期から修行に明け暮れた。成長すると、対戦相手を次々と殺害してしまう容赦ない武道家になった。小柄で痩身だったが、とんでもない怪力の持ち主だったようだ。
バーサーカー
サムソン
イスラエルの英雄サムソンは、生まれたときから神の恩恵を受けていて怪力を持っていた。その怪力はギリシャ神話の英雄ヘラクレスと同様にライオンを素手で切り裂くほどだったと言う。ただはこれは身体能力が高いとか、本人よる魔法とは違う。制約があっての呪いのようなものだ。敵のスパイとして送り込まれた美女にサムソンは恋をしてしまい、うっかり力の秘密を話してしまった。それは髪を切らないことで、力を得ていたのだ。騙されたサムソンは寝ている間に髪を切られて力を失ったと言う。
ルーラー
ギルガメッシュ
ギルガメッシュ叙情詩に登場する古代メソポタミアの王。専制君主であったが、エルキドゥとの戦いで互いに認め合い、親友を得たことで心を改めて、真の王となる。フンババや天の牡牛などの神の使いをエルキドゥと討伐をしていく。しかし神の逆鱗に触れたことで、エルキドゥが病死した。同等の力を持つ親友の死を経験したことで、ギルガメッシュは死を恐れるようになり、不死の薬草を求める旅に出た。不死の薬草は手に入らなかったギルガメッシュは失意に堕ちた。