神話に登場する英雄の相棒とも言える「伝説の武器」をまとめようと思います。創作ネタやら雑学的な感じで皆様の役に立てたらと思います。
刀剣
エクスカリバー
「アーサー王物語」に登場するブリテンの王アーサーが降った剣。選定の剣を引き抜き王となったアーサーだったが、その剣を折ってしまった。マーリンの助言によって湖に、折れた剣を投げると「湖の乙女」がエクスカリバーをくれた。おそらくエクスカリバーの真の強さは鞘にある。鞘には持ち主の傷を癒す力があって、アーサー王は物語の終盤にエクスカリバーを奪われて致命傷の傷を負ってしまった。
デュランダル
「シャルルマーニュ伝説」に登場するローランの剣。何でも聖人の歯や髪などの聖遺物が埋め込められたまさに聖剣と呼ばれる代物だ。兜、鎖帷子、敵が乗っていた馬ごと一刀両断する切れ味を誇った。ちなみに持ち主であるローランは女に振られたショックでフランス中を裸で走り回っていた変態だ。
グラム
北欧神話のシグルズ、ドイツではジークフリートと呼ばれる英雄はドラゴンを倒したいわばドラゴンスレイヤーだ。元々グラムは父であるシグムンドが振るっていた剣で、それを打ち直して新しくなったのがグラムである。シグルズは竜退治を成功させて竜の血を舐めることで不死の英雄となった。
カラドボルグ
ケルト神話に登場するカラドボルグはエクスカリバーの原型とも言われている。ケルト族の戦士は槍くらい長い剣を好んで使っていたらしく、カラドボルグは伸び縮みができたらしい。持ち主のフェルグスはその剣振るって、三つの山の丘を切り裂いた。
勝利の剣
北欧神話に登場する神、フレイの剣。自動で戦ってくれる。持ち主の手を離れても勝利するまで自動で追尾を続ける完全独立型の武器だ。もはや呪われた剣だろう。
草薙剣
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)とも言われる剣。日本神話でスサノオはヤマタノオロチの退治に向かった。そのときヤマタノオロチの尻尾から草薙剣が見つかった。
テュルフィング
北欧神話に登場するテュルフィングは、決して錆びることのない勝利を呼ぶ剣だ。ただし呪いによって、鞘から抜くと必ず誰かを殺さなくてはならない。持ち主の願いを三つも叶えてくれる能力もあったりする。願いを叶えた最後には、持ち主は必ず死ぬ。
ダーインスレイヴ
グラムの持ち主シグルズが倒した竜は、大量の宝を守護していた。そのなかのひとつには黄金に輝く豪奢な剣があった。それこそがダーインスレイブだ。ただしダーインスレイブには呪いがあったようで、引き抜いたものは全員戦死した。
フルンティング
古代イングランドの叙情詩「べオウルフ」に登場する「突き刺す」の意味を持つ剣が、フルンティングだ。名剣ではあったが持ち主であるべオウルフは、人知を越えた怪物と戦うことがあったので、この剣が通用しない。べオウルフはしかたなく素手で怪物を倒した。
アスカロン
聖人ゲオルギオスは竜退治で有名だ。毒を吐く竜で悩んでいる街があった。街の人たちは羊を生け贄にしていたが、とうとう羊がいなくなり人間を生け贄にするしかなくなった。くじ引きの結果、王の娘が生け贄になってしまった。そんなときに現れたのが、ゲオルギウスだ。竜退治を成功したゲオルギウスは「キリスト教徒になるなら、竜を殺そう」と改教を進めて退治した。
コラーダとティソーン
スペインの国民的英雄エルシッドが持っていた剣は二対で一体の剣であった。レコンキスタによってスペインの領土を取り返したエルシッドは数年間王として君臨した。死の間際にミイラ化を自ら進めて、死後も玉座に居座り続けた。
アロンダイト
アーサー王物語に登場するランスロットの剣がアロンダイトだ。アーサー王と対等の立場であり、優れた騎士達を円卓の騎士と呼んだ。そのなかでもランスロットは最強クラスの騎士であった。しかしランスロットの裏切りから円卓の騎士が二つに別れ、国は崩壊。アーサー王の死に繋がった。
ガラティン
円卓の騎士の一人でアーサー王の右腕と称された人物がガウェインである。ガウェインには午前中だけ力が三倍になる力があって、それはもしかしたらガラティンの力だったかも。
フラガラッハ
ケルト神話に登場する鎖なら何でも切れる剣。それ以外にも敵の動きに勝手に反応して戦うことができた。弱いやつが持ってもそれなりに戦える力があるということであろう。
レーヴァティン
北欧神話に登場する炎の剣。スルトが持っていたとされる剣で唯一ボスを倒せる的な剣とされるが、全容はわからない。一般に剣とされているが、槍かもしれないし、弓矢かもしれない。魔法の力を持っていたことは確かだろう。
ジョワユーズ
シャルルマーニュ伝説のシャルルマーニュが持っていたとされる剣。フランス語で「陽気」を意味する。美しい剣だったようで、きめ細かい白鞘を持ち、日に30回も色彩に変化があるらしい。実在する剣で代々フランス王の肖像画に一緒に描かれている。ルーブル美術館に展示されている物は本物ではないらしい。
村正
日本の名刀村正ですが、実は一本の剣を指すわけではありません。現代で言うところのハイブランドの人気な刀を指していました。徳川家康がその呪いを恐れて使用を拒んだとされますが、実際は愛用していたようです。
ハルぺー
ギリシア神話に登場する独特な形をしたハルぺーは元々はヘルメスが持ち主だった。英雄ペルセウスはメデューサ退治に乗り出して、ヘルメスから、翼が付いたサンダル、姿を消せる兜を借りた。そしてハルぺーも。それ以外にもアテネから青銅の盾も譲り受けた。
正宗
日本の名刀正宗と正宗の製作者は師弟関係だったらしいので、よく比較されるそうだ。しかし、実は師弟関係は違うようだ。それぞれが生きた時代に矛盾が生じるので、まったく関係がない刀である。
物干し竿
物干し竿は佐々木小次郎が使ったとされる刀で、イメージは「長い」ではないだろか。実際は三尺ほど(90
センチ)くらいで特別長いわけではなかった。とは言え江戸時代の感覚では長いらしい。
虎徹
最上大業物に数えられる刀。新撰組の近藤勇が扱っていたことで有名だが、近藤の虎徹は偽物であったらしい。しかし近藤は本物と信じて疑わなかった。近藤の腕の高さによって、偽物は本物以上に輝いたと言う。
村雨丸
「里見八犬伝」に登場する名刀が村雨丸だ。名前通り「水」に関係する力を持っているようで、抜刀で火を消した。
槍
グングニル
北欧神話の最高神であるオーディンが持つ槍で、投げれば必ず相手に命中し手元に戻ってくる。その威力は聖剣グラムを意図も簡単にへし折ることができたと言う。ラグナロクの果てにオーディンと一緒に飲み込まれ行方がわからなくなった。
ゲイボルグ
ケルト神話のクーフーリンが扱う魔槍。投げれば必ず相手に命中する。突き刺された者は、かすり傷でも内部からズタズタに切り刻むことができた。また、30刃先に分裂する能力もある。攻撃力なら最高クラスの槍だ。
トライデント
ギリシア神話のポセイドンの槍で、風や水を自在に操ることができる。短気だったポセイドンは気に食わない奴が航海していると、海の天候を操り津波や地震を起こした。そのために海の神として崇められた。
アキレウスの槍
トロイア戦争で活躍したアキレウスは不死性と俊足を誇ったギリシア最強の男だ。彼が使っていた槍で受けた傷は通常の治療では治癒することがない。槍を削った粉末でしか治療することができない。
ロンギヌスの槍
イエス・キリストを刺したとされる槍で、キリストの脇腹を刺した人物がロンギヌスだ。ロンギヌスは盲目であったが滴るキリストの血が目に入ると視力を取り戻した。それからキリストを信じるようになったロンギヌスは洗礼を受けて、聖ロンギヌスとまで呼ばれるようになった。
ロンゴミニアド
アーサー王が持っていた白い聖槍。アーサー王物語の終盤でエクスカリバーを奪われたアーサーがメインで使っていた槍で、ひと降りで500人の敵を薙ぎ払うと言う。物語中盤ではエクスカリバーが通用しない敵をロンゴミニアドを使って倒しているのでそれなりに信頼のある武器だ。最終決戦で離反したモードレットを突き刺して倒した。
方天画戟
「三国志」の最強の武将「呂布」が使っていた武器。呂布は武芸に関してなら向かうところ敵なし。有名なエピソードなら、張飛一人では呂布が圧倒、関羽が混ざって互角、劉備が加勢に加わって呂布は退却したと言う。呂布に
弱点があるとしたら、裏切りが多く人望がなかったことだ。最後には部下に裏切られて処刑された。
蜻蛉切
徳川家康に仕えた最強の武将、本田忠勝の愛槍こそが蜻蛉切だ。なんでも槍を立てて置いていたら、刃先に飛んできた蜻蛉が真っ二つになったと言う。本田忠勝は生涯で57回戦場に向かったが、一度も傷を負わなかった。本田忠勝が残した伝説的な逸話が蜻蛉切を名槍とした。
その他
ミョルニル
「稲妻」を意味するミョルニルは投げれば相手に必ず当たり、手元に必ず戻ってくる。サイズも自由自在で使わないときはポケットに収めることができた。ただ、神であり持ち主であるトールですらミョルニルを扱うのに苦労した。雷そのものであるミョルニルは特殊な手袋を着用しなくては火傷をしてしまう。しかも力自慢であるトールでさえ、魔法で自分の体を大きくしつつ、魔法のベルトで腕力を底上げしてやっと扱えるものであった。
ヘラクレスの棍棒
ヘラクレスは自らが犯した罪を償うために「十二の功業」を成し遂げた。その最初の戦いは獅子を退治することだ。獅子は強固で頑丈な毛皮を持ち、剣や槍、矢は通用しない。なのでヘラクレスは棍棒を武器として選んだが、棍棒すら効かない。結局、ヘラクレスは素手で絞め殺した。獅子の毛皮を防具としたのだ。
ヒュドラの毒矢
ヘラクレスは「十二功業」の二番目にヒュドラと対峙した。ヒュドラは八つの頭が生えた化け物で不死性と猛毒を持っていた。ヘラクレスはヒュドラを倒すと、その猛毒を矢に塗って使うようになった。毒の効力は凄まじいもので、事故で師匠であるケイローンを殺し、ヘラクレス自身の破滅を招いた。
如意棒
西遊記の孫悟空が扱う棒は2トンもあり、持ち主の意思に従い伸縮自在にサイズを変えることができた。最大でも天を貫く大きさになり、普段はマッチ棒くらいのサイズにして持ち歩いていた。サイズを変えても重さは2トンのままだったので悟空にしか扱うことができなかった。
ダグダの棍棒
ダグダはケルト神話に登場するダーナ神族の最高神。ダグダは食べても減らない大釜をはじめとした食べ物に関する色んな道具を持っていた。なかでも唯一の武器とも言える棍棒には二つの先端があり、荒い先端は相手に「死」を与え、滑らかな先端は死者に生き返らせる力を持っていた。かなり巨大な棍棒だったので、八人がかりで部下に運ばせていた。
ケラノウス
ギリシア神話で最強の武器とされるゼウスのケラノウスは「雷光」を意味していて、雷を自在に操ることができた。その気になれば、全宇宙を焼き払うことができるほどの広範囲な火力を持つ。
アイアスの盾
アイアスはトロイア戦争でアキレウスに次ぐ、ギリシア側の英雄である。へクトールと一騎討ちをして互いに槍を投げ合った。アイアスの盾は牛の皮を七重にしたもので、へクトールの槍は六枚目まで貫通したが、七枚めで止まった。アイアスの槍はへクトールに傷を負わせたと言う。
アイギス
ギリシア神話の神アテナが使っていたとされる盾。元はゼウスの持ち物であったのでそれなりに強力な盾であったことは間違いないだろう。しかし、アテナはアイギスの更なる強化に成功した。英雄ペルセウスが倒したメデューサは、見たものを石にする瞳力を持っていた。死してなおその力は失われていなかったので、ペルセウスはメデューサの首をアテナに献上した。アテナはメデューサの首をアイギスに嵌め込んで、最強の盾を創造した。
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