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【テセウス】自尊心が原因? 身を滅ぼした英雄

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テセウスはあの大英雄ヘラクレスに憧れ、多くの冒険に出た英雄です。ミノタウロスを倒し、ヘラクレス同様に冥界に行った人物で、大岩を簡単に運ぶ怪力を持っていましたが、神に育てられたわけでなければ、もちろん神の子でもない普通の人間。(怪力なんで普通ではないのかも)

 

神の子ではなかったが恵まれた才能と勇気を持ってミノタウロスを倒して英雄となり、王位も継承します。しかし、最後には全てを失ってしまう。

 

今回はギリシャ神話の英雄テセウスをご紹介していこうと思います。最後までどうかよろしくお願いたします。

 

 

 

冒険編

 

アテナイの王アイゲウスは偶然寄ったトロイゼンで、王の娘であるアイトラと関係を持ちました。アイゲウスは自身の子供が無事に成長したら、大岩の下に埋めた黄金の剣とサンダルを証拠として持ってくるように言います。数年後、アイトラは成長した息子ーーテセウスに大岩を動こすように言いました。テセウスは難なく大岩を動かして、母からアイゲウスのことを聞きアテナイに向かうのでした。


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テセウスはこうして「アテナイの王の息子」であることを証明するための旅にでるのですが、この時16歳のテセウスは安全なルートによる旅なんてつまらないことはしません。既に英雄として名が知られていたヘラクレスに憧れて、無謀な冒険に出たのです。各地の悪人や怪物を倒していき、中でも山賊プロクルーステースは残虐な殺人を好んでいたようで、テセウスも同じ方法で彼らを制圧してしまいました。その方法ですが、旅人をベッドに寝かして縛り付けると、体がベッドより短いと引き伸ばし、長いと切り落としたそうです。同じことをするテセウスもなかなかです。

 

いろいろやって満足なテセウスでしたが、アテナイでも問題は山積みでした。テセウスはアテナイの王アイゲウスを訪ねて自身が王の子であることを証明しようとしますが、現王妃によって邪魔をされてしまいました。この王妃の正体は悪女で知られていたメディア。イアソンと別れたあとアテナイに赴き、魔法の力によって王を欺いていました。テセウスが真の王の子であることを感じることができたメディアは毒殺をアイゲウスに進言します。

 

 

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しかし、テセウスが黄金の剣とサンダルを見せると、アイゲウスはテセウスが息子であると確信しました。正体がバレたメディアは直ぐにアテナイを逃げ出しました。

 

ミノタウロス編

 

父アイゲウスと和解しましたが、アテナイには大きな問題がありました。アテナイはクレタ島の王ミノス達との戦争で敗北して、クレタ島の支配下になっていたのです。しかも毎年14人の子供をミノタウロスと言う化物に生贄として捧げなければならない立場にあると言う。このことを聞いたテセウスは憤り、自らが生贄となりミノタウロスを退治することを誓いました。もちろんアイゲウスは反対しますが、テセウスは頑なに意思を曲げません。結局アイゲウスはテセウスを船で送ることになってしまうのですが、もし生きて帰ることができたなら白い帆を掲げるように言いました。

 

14人の生贄と一緒にクレタ島に到着したテセウスはミノス王の元に連れて行かれます。そこで出会いがあり、ミノス王女アリアドネはテセウスに一目惚れをしました。夜も眠れないくらい愛してしまったアリアドネはテセウスが生還できる方法を考えます。ミノタウロスは牛の頭と人間の体を持った怪物。ミノタウロスを倒すことが仮にできたとしても、一つ問題があった。それはラビリンスと言われる迷宮だ。名工ダイダロスによって作られた迷宮は脱出不可能と言われていて、ミノタウロスはそこの奥地で幽閉されている。どんなにミノタウロスを倒すことができたとしても、迷宮を攻略しなければ意味がない。アリアドネはダイダロスに相談して迷宮を攻略する糸を渡しました。

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いざ、テセウスが迷宮に向かうことになったときに、アリアドネは糸の端を入り口で持ちます。もう反対の端をテセウスが持つことで、ミノタウロスを退治したら辿って帰ってくるという算段でした。ミノタウロスを前にして13人の生贄はビビっていたので、テセウスは一人でミノタウロスに立ち向かいこれを倒してしまいます。

 

迷宮も攻略済みなので、あとはアテナイに帰るだけ。テセウスは13人の生贄とアリアドネを連れて出向します。このときクレタの船に穴を開けていたので逃げることに成功します。が、余裕綽々かと思っていたのは運の付き。

 

島に寄って休憩していると、クレタが追ってきたので大急ぎで出発しますが、アリアドネは熟睡していて船に乗り遅れてしまいました。テセウスは悲しみますが、引き返すことはできません。

 

さらにもう一つテセウスは大事なことを見落しました。それは父との約束です。もし生きて帰ることができたら、白い帆を掲げると言うあれです。テセウスはそのことをすっかり忘れていたので、王アイゲウスはテセウスが亡くなったと思い込み崖から飛び降りて自殺してしまいました。

 

嫁探し編

 

テセウスは嫁を何回も変えています。それもなかなか強引な場面も多い。

 

テセウスは父の死後にアテナイの王になります。クレタで出会ったアリアドネのことを忘れて、アマゾンに遠征。アマゾンの王女アンティオぺ(一説にはヒッポリュテ)を誘拐して妻にしました。攫うなんて非常識もいいところですが、アンティオペが亡くなると、クレタ島の王女でアリアドネの妹パイドラを嫁にします。

 

ミノタウロスはいないし、ミノス王もこの頃には亡くなっていたようなので、友好な関係を築いたようです。

 

ただ、パイドラは自殺します。前妻のアンティオペとの息子ヒッポリュトスにパイドラが恋をしてしまい複雑な関係になるかと思いきや、ヒッポリュトスは義母に関心になんてありませんでした。パイドラはテセウスに真実が知られるのを恐れて遺書を残して自殺。遺書の内容からヒッポリュトスが関係すると理解したテセウスは息子を呪殺した。ヒッポリュトスは神に生き返らしてもらいイタリアに渡ったようです。

 

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また、嫁に先立たれたテセウスは親友であり悪友のペイトリオスと共に新たな嫁を攫う計画を企てました。二人とも野心が強いようなので、嫁の候補は最高神ゼウスの子供が絶対条件。とりあえすテセウスはスパルタのヘレネを誘拐して嫁にすることに成功してしまいます。ペイトリオスはペルセポネ。ペルセポネは冥界の王ハデスの嫁なので、二人は冥界まで誘拐しに行くことになりました。

 

この二人の馬鹿なところは、ハデスに直接「嫁をくれ」と交渉したことでしょうか。ハデスは内心呆れてしまい、二人に椅子に座るよう促しました。実はこの椅子には特殊な力があって座った者は体の自由を失い、記憶を奪う「忘却の椅子」と呼ばれるものだったのです。こうして二人は冥界で囚われることになりました。

 

あくる日、12の功業に挑戦していたヘラクレスが冥界に訪れます。ヘラクレスは「ケルベロスを生きたままやったら、連れて帰ってもいい」とハデスと交渉するついでに、アルゴー船で顔見知りだったテセウス達も連れて帰るようにしますが、テセウスだけ連れて帰れることになりました。

 

子供の頃から憧れていた大英雄ヘラクレスに助けられたテセウスでしたが、元の世界では既に居場所はありませんでした。誘拐したヘレネは連れ戻され、アテナイの王位も奪われていたのです。

 

別の国に身を寄せますが、その国の王に裏切られて切り殺されてしまいました。遺体はアテナイの将軍に回収されて、アテナイで埋葬された。

 

最後

 

今回はギリシア神話の英雄テセウスをご紹介させてもらいました。テセウスは大英雄ヘラクレスに憧れて冒険や戦いに明け暮れた。おそらくただ憧れたのではなくヘラクレスを越えようとした。そのなかで自身の血に問題があると感じたテセウスは神の血族を求めてたことが神の怒りに触れ身を滅ぼす結果になってしまいました。

 

身の丈にあったことをしましょう。

 

最後までありがとうございます。

 

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