古代イスラエルの伝説的な王ソロモンはミケランジェロで有名な父・ダビデの息子で、イスラエルを最盛期にまで導いた偉大な王です。それだけではなく、欧米ではアーサー王物語に登場するマーリンと並ぶ、最強クラスの魔法使いとしての顔を持っている人物でもあります。
今回はそんなソロモンを紹介していきたいと思います。
生涯
ソロモンは先代の王ダビデの不義の子とされています。ダビデは羊使いから王にまで成り上がった人物で、ユダヤ人にとってダビデこそが理想の王とまで言われました。晩年は女癖の悪さが露呈して家臣の妻を寝取って、その家臣を戦死させてたり、とダビデは暴走気味でした。そんな感じで生まれたのが、ソロモンだったとされます。ただソロモンの兄に当たる人物は、ダビデの行いに激怒した神の罰で亡くなったらしい。とある歴史家によるとソロモンは予言者ネイサンの元で育ち、モーセによって書かれたとされる「モーセの法則」の影響を受けたと言う。
その後成長したソロモンは、ダビデによって次の王に指名されました。
納得がいかない兄達と争ったソロモンは見事にそれを打倒して、正式に王となった。このとき15歳だったとされています。
王になったソロモンは、ファラオの娘と結婚して、ギブオンと呼ばれる町で盛大な捧げ物をしたという。すると、「願い事を叶えてやる」と夢に神が現れた。このチャンスにソロモンは知識を求めたと言う。神はこの答えに大変喜んで、与えられるものは全て与えることを約束した。こんな経緯もあり、ソロモンは知識のシンボルになっている。
有名なエピソード「ソロモンの裁判」では、二人の女性が「子供の母親は私である」と主張した。ソロモンは子供を半分に切って分けろと言います。すると一人の女性が主張を放棄しました。子供が殺されることを良く思わなかったからです。ソロモンは子供を思いやる気持ちを真っ先に示した女性こそが、母親に相応しいと言いました。
ソロモンは国の改革にとにかく力を入れた。外国との積極的な交流を図るために大規模な土木工事を進めながら、本人は近隣の国との政略結婚を重ねて、国力の強化をしていった。こうしてイスラエルは最盛期を迎えることができた。
ソロモンの知識の深さは周辺国家に知られ、他国の使者が絶えなかったらしい。なかでもシバの女王はソロモンの知識を試すべく、挑戦的な質問をしたと言う。ソロモンはあらゆる問いにしっかり受け答えをしたので、感嘆したシバの女王は、金、香辛料、宝石などのたくさんの贈り物をしました。ソロモンは「彼女の望みならなんでも聞く」とシバの女王を満足させたそうです。
シバの女王をはじめ、ソロモンは700人から1000人ほどの嫁がいて、政略結婚をかなり繰り返して来たとされます。しかし、彼女達の宗教を全て容認して、さらには自分の出身であるユダ族を優遇していたので、元々いたユダヤ教の人々は不安が募っていきました。ソロモンの野心的な政策による重税もあって、ソロモンの死後、国民の不安が爆発して国は分裂してしまいました。
これがざっくりとしたソロモンの生涯です。
魔王としてのソロモン
続いては神話的な話です。ゲームやアニメなどでたびたび登場するソロモン72柱についてです。ソロモンがイスラエルを最盛期にまで導けたのは悪魔の力によるものだとも言われているようです。
72体の悪魔はその辺のモブキャラだけではなく、九体の王、22体の公爵、7体の王子、14体の統領、10体の伯爵など、魔界でそれなりの能力、知識、軍団を持った強力な悪魔ばかりでした。なので反逆するものもいたようですが、ソロモンはそれらを抑制して悪魔の支配下を合わせて全52万体以上の悪魔を小さな瓶に詰めていたようです。
詰めているくらいですから、王クラスの悪魔を踊らせたり、労働させたり、まあとんでもない伝説を残しています。
なぜそのようなことができたかと言うと、大天使ミカエルから貰った指輪の力だったらしい。この指輪は悪魔だけではなく、天使も操ることができたと言う。
ソロモンの鍵と呼ばれる作者不明の魔道書には魔術の方法が記載されている。なかでもゴエティアと呼ばれる書物にはソロモンが扱った魔法と、72体の悪魔に関しての詳細や召喚するための呪文、魔法陣などが書かれているそうです。
このような書物をソロモンが書いたとされていたようなので、ヨーロッパではマーリンに並ぶ魔法使いとされていました。
まとめ
魔王に相応しいソロモンに関して簡単に書かせてもらいました。さすがに悪魔を使役したのは創作だとは思いますが、魔道書が実在するのは変な話ですね。ソロモン。モンモン言い過ぎてデジモンみたい、とふいに思いました。
今度は72体の悪魔についても書いてみたいと思いました。(たぶん書かないかも)
最後までありがとうございます。