四世紀後半から六世紀にかけてゲルマン人の大移動があった。これがきっかけでローマが滅亡することになるんですが、この大移動の理由はフン族を恐怖してだ。
フン族とは、北アジアの騎馬民族の出らしく、小柄で筋肉質、細い目、ボサボサした黒い髪と、THEアジア人みたいな風貌をした民族で当時のヨーロッパの人達からしたらとても奇妙な存在でした。
しかも、めっちゃめっちゃ強い。あまりの強さに「神による災害」「神の鞭」とヨーロッパ全土がビビったそうです。
今回はそんなフン族を率いた王、アッティラについて簡単に解説していきたいと思っています。
生涯
先代の王であるルーアが亡くなると、甥であるアッティラは兄のブレダと共同で統治することになります。ですが直ぐにブレダが事故死していまい、アッティラは一人でフン族の統治をすることになります。
兄の意思を継いだアッティラは、ローマとの交渉の場で、とんでもない要求をします。
・フン族の脱走兵の引き渡し
・フン族の捕虜から脱走したローマ兵の買い戻し
・黄金
・フン族と敵対する部族との同盟の禁止
ローマはこんな不条理な要求を飲むつもりはありませんので戦争を仕掛けました。しかし、フン族が強い。ローマは成す術はなく要求を飲むことになりました。
アッティラは満足して一時ハンガリー平原に戻り国の基礎作りに専念したそうです。
それから数年はローマ以外の各国への侵略を繰り返したフン族は、再びローマにターゲットを絞りました。
一度不条理な条約を結んだからには、フン族の暴走は止まりません。
・脱走兵はまだいる。
・金が足りない。
・先祖の墓を荒らした。
なかでも武器を持たない修道院はとんでもない被害を受けたようで、アッティラを「神の災害」「神の鞭」と誰もが恐怖しました。
このころのローマは各地で反乱も起こっていたようなので、ローマ帝国は大打撃を受けたようです。
求婚
西ローマ皇帝の姉であるホノリアがアッティラに求婚した。誰もが恐れるフン族、宮殿にはいないタイプのフン族の男達に憧れて、アッティラに惚れたらしい。
早速フン族は西へ進軍を開始しました。
ここまできてヨーロッパ全土はこの重大さに気付き、西ローマの指導者フラウィウス・アエティウスを中心に各国が手を組み、連合軍を結成してフン族と対峙した。
このフラウィウス・アエティウスはフン族と切っても切れない関係の人物で、驚くことに人質としてフン族で育ったので、アッティラとは顔見知り。フン族のやり方も熟知していたのです。
カタラウヌムの戦いと呼ばれる戦いは、連合軍の勝利となりました。
しかし、各地で戦力を補充して進軍をしていたフン族は止まることはなく、そのままイタリアに向かいました。
連合軍は追撃するだけの力はなかったので、フン族はよってイタリアの一部を侵略するのでした。
終結
ヨーロッパを荒らし回ったフン族を止めたのはローマ法王レオ一世でした。なんでもお金で解決したらしい。
フン族側も、お金だけ貰って帰りたい事情はあったのかも知れません。
イタリアを去ったあとアッティラは死にました。結婚式の宴で鼻血を出して窒息死したそうです。散々ヨーロッパを荒らし回ったフン族の王はあっけなくこの世を去ったのでした。
フン族は絶対的な王を失ったことで大混乱。息子達は遺産を巡って争い、ついにフン族はバラバラになったそうです。
こうしてフン族は歴史の表舞台からも完全に消えました。
まとめ
アッティラは自分に従う忠実な部下には公平に扱ったとされ、大変気前がいい人物だったとされます。しかし、敵対する者達には徹底的に交戦するという二面性もありました。
「王たる者は、進んで義務と責任を引き受けなければならない」このような言葉を残したとされるアッティラが現代にいたなら、めっちゃくっちゃ慕われる上司になっていたことは間違いありません。
最後までありがとうございます。