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被害者はどこに消えた?本当にあった神隠し事件、江東マンション神隠し事件とは?

 

 

神隠しとは、人が忽然に消える現象を指すようです。縄文時代頃には神が実在すると考えられていたようで、現実を生きる人間が神が住む神域に消えないように配慮していたらしい。(結果を張ったりしていた)

 

現代で神隠しが起こった場合だと、何が考えられるだろうか。現実的で起こりうる可能性が一番高いのは、夜逃げや家出など消息が経つことであろう。理由があって自らの意思で行方を晦ますことが、現実的で誰にでも起こりうるかも知れない。事件性の強い事柄ならどうだろうか。拉致、監禁、そして殺害。今回ご紹介していこうと思うのは、実際に起こった神隠し事件である。江東マンション神隠し事件殺人事件です。身勝手な理由で起こった事件の現場は、エントランスに監視カメラは備えつけられて、オートロックも完備されているので、防犯に関して問題点はないはずだった。しかし、被害者女性は帰宅した後に行方不明となってしまう。同居していた姉によって通報されることになるが、監視カメラの記録によると被害者女性は、マンションから出て行った痕跡はないことがわかる。果たして女性はどこに行ったのだろうか。

 

 

 

事件が起こるまで。

 

2008年4月18日の夜。

被害者Aは帰宅する前に同居していた姉に「今から帰る」とメールをしていた。しかし、姉が帰宅すると、妹の姿はない。鍵はかかっていないし、ピアスが落ちている。試しにゴミ捨て場を見にいくが、妹の姿はなかった。異変を感じた姉が捜索願いが出されて捜査が始まった。玄関には少量の血痕が残されていて、監視カメラに被害者Aがマンションから外出した痕跡がないことから事件は、「神隠し」としてメディアで大きくと取り上げられることになる。

 

捜査

 

監視カメラの映像から犯人は、マンションの住人であると考えた警察は、マンションの全ての住人に事情聴取を行った。任意での指紋採集、家宅捜査を行ったが、捜査は難航することになる。

 

犯人

 

進展が起こったのは被害者Aの玄関で犯人の指紋が僅かにだが、発見されたことであった。マンションの住人から指紋は採取していたが、全員と一致はしない。しかし改めて指紋採集をしたことで、被害者Aの二つ隣の住人である星野貴徳が逮捕された。一度目の指紋採集で星野は、薬品を使って事前に皮膚を荒らすことで指紋を正確に採取されないようにしていたのだ。しかもこの男は、マンションの管理人で防犯の対策を徹底するように意見を述べ、メディアにも顔だしでインタビューに答えていた。家宅捜査にも協力的だったと言う。

 

事件の真相

 

星野はプログラマーとして、それなりの月給を稼いでいた。しかし、自身の容姿に自信がなく、常軌を逸脱した性癖を持ち合わせた人物であった。欲望を形にすることを欲した星野は、隣人を性奴隷にする計画を立てた。拉致をして自室に連れ込んだら、性行為を強要して自身の性奴隷にするつもりだったのだ。それで最終的には、恋人のような関係になれることを望んだ。そのためにも事件は金曜日に決行するつもりだった。三日間に渡って性行為をすれば、性奴隷にできると思ったらしい。星野は隣人が女性の一人暮らしであると思い込んでいたようだ。被害者Aが鍵を解除して玄関を開ける音を星野は、毎日のように聞く耳をたてて伺うようになる。次第に玄関を開ける音を聞き分けられるよういなった星野は、4月18日に計画を実行した。隣人が鍵を解除したタイミングで、廊下に出る。扉が閉まる瞬間に強引に被害者の自宅に侵入した。被害者Aはブーツを脱ぐ途中であった。予想以上に抵抗された星野は、強く被害者を殴りつける。この時に、血痕が残ることになる。被害者が一時的に動かなくなると、星野は部屋を物色して女性の衣類を使って、被害者を目隠してから、拘束した。台所から包丁を持ち出した星野は、被害者を脅迫して自室に連れ込んだ。

 

被害者を自室に連れ込むと、口にタオルを押し込み、手足をビニール紐で縛った。ここで星野は被害者の異変に気づいたようです。おでこを切っていたのだ。慌てて廊下に出ると、廊下に血痕が残っていた。被害者の部屋に戻ると、被害者の血痕と自身の足跡が残っている。星野は血痕や、ドアノブなど自身が触れた物は全て綺麗に拭き取った。

 

星野は焦った。被害者を性奴隷にしてから月曜日には帰す計画であったが、怪我をさせたことで、事件が明るみになることを恐れて、自身がとても性行為をする気持ちにならなかったのだ。AVを見たり気持ちを高めようとしたが、上手くは行かない。裸の写真を撮影して、強迫することも考えたが、星野はデジカメを持っていなかった。時間だけ過ぎていく。22時半ごろになるとインターホンが鳴った。警察だ。機転が効いた星野は事情を知らない住人を装って危機を逃れるが、自室に入られたら罪が明るみになるのは明白である。被害者Aを脅迫して、恋人同士であり喧嘩をしたなんて言う口裏を被害者と合わせるのは不可能。罪が露見して社会的な地位を失うことを恐れた星野は、被害者を殺す決断をした。

 

被害者はどこに消えたのか。

 

星野は確実に被害者を殺すために失血死を思い立つ。自身の持ち物を使うことを避けたいので、被害者の部屋から持ち込んだ包丁を凶器に選んだ。血が溢れないようにタオルで覆ってから無抵抗の被害者の口を手で抑えて、余った手で深く首に刺した。血が早く流れて死んで欲しい。包丁を引き抜くと、血が流れる量が増えた。星野の証言によると、包丁を引き抜いてから五分ほどで、被害者が死んだそうだ。さて、ここで問題が生じる。星野は遺体をどのように処分したのだろうか。星野は家宅捜査を難なくクリアしている。

 

正解はバラバラにして、トイレに流したのだ。被害者を殺害した星野は、包丁二本と鋸を使って遺体の解体を進めた。包丁で剥ぎ取った手足の肉、臓器はまな板で細く切って、トイレに流した。骨は冷蔵庫や段ボールに隠したようだ。家宅捜査では骨の一部が入った段ボールを警察に自ら見せたと言う。この大胆な行動に警察は見逃してしまう。出勤時に骨を捨てるなどして、遺体を処分するのに2か月が掛かった。事件が発生してから約一ヶ月後の5月24日に星野は逮捕された。

 

逮捕後

 

検察側は星野加害者の死刑を求めるが、弁護側は情状酌量を求めた。星野は幼少期に大火傷を負った。この火傷が原因で星野は虐められるようになり、歪んだ性癖を持つことになる。自己嫌悪が強い星野は女性との交際経験もなく、現実の女性に対して歪んだ感情を持つようになり、性奴隷が欲しいなどの、あまりにも非現実的な考えに及んだようだ。星野は過去に四肢を切断した女性のイラストを同人誌を制作していた。また、星野は自身の死刑を求めいてたこともあり、反省してると判断されて死刑は免れている。

 

 

最後に

 

書いてて胸が苦しくなりました。星野は隣人のことを何も知らなかったようです。だからこそこれほどにも残忍な事件を起こす事ができたのかも知れません。過去の記事でシリアルキラーのことを書きましたが、連続殺人鬼はだいたい特殊な性癖を持っているんですが、星野もまたその例に漏れていない。どんな所に危険が潜んでいるかわかりませんので、今一度防犯対策ができているか、確認するのもアリかと思います。

 

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