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ガリレオシリーズの個人的なオススメ5選

シリーズ累計は1400万部を超えてるガリレオシリーズですが、僕は最近になって初めて読みました。なんなら東野圭吾を初めて読みました。ガリレオシリーズは1998年5月に第一巻には「探偵ガリレオ」が発売されたようで、2007年にはドラマ化もされています。2022年には再び映像化されることが決定していて、想像していたよりもずっと息の長いシリーズということになります。その人気を裏付けるように、シリーズ累計は1400万部を超えているそうです。ガリレオシリーズは2022年6月の段階では10巻までが発表されていますが、今回はその中でも個人的に好きな作品を5つ紹介していこうと思います。順番通り読むのもいいと思いますが、なんらかの参考になればと思います。

 

 

 

容疑者Xの献身

 

容疑者Xの献身 (文春文庫)

花岡靖子は娘・美里とアパートに2人で暮らしていた。そのアパートへ靖子の元夫である富樫慎二が彼女の居所を突き止め訪ねてきた。どこに引っ越しても疫病神のように現れ、暴力を振るう富樫を靖子と美里は大喧嘩の末、殺してしまう。今後の成り行きを想像し呆然とする母子に救いの手を差し伸べたのは、隣人の天才数学者・石神だった。彼は自らの論理的思考によって二人に指示を出す。

そして3月11日、旧江戸川で死体が発見される。警察は遺体を富樫と断定し、花岡母子のアリバイを聞いて目をつけるが、捜査が進むにつれ、あと一歩といったところでことごとくズレが生じる。困り果てた草薙刑事は、友人の天才物理学者・湯川に相談を持ちかける。

すると、驚いたことに石神と湯川は大学時代の友人だった。湯川は当初傍観を通していたが、やがて石神が犯行に絡んでいることを知り、独自に解明に乗り出していく。

 

 

直木賞を獲得したシリーズでも最も売れた作品です。見返りを求めない究極の純愛が生んだ事件の真相をガリレオが解明していく。物理学者である湯川と、天才数学者である石神と、互いを認め合う友人でありながら、天才同士の対決は必見です。友人のためにできることはなんなのか? 湯川は真相に近づいていくほどに、苦悩することになる。悲しい話です。

 

 

映画もオススメです。プライム会員なら無料で見れるので、まだ見てない人は見てください。

 

 

 

探偵ガリレオ 

 

探偵ガリレオ (文春文庫)

「花屋通り」と呼ばれる人通りの少ない通りで、局所的な火災が発生し、たむろしていた若者が焼死した。焼け跡から変形したポリタンクが見つかったこと、また、周辺にガソリンの臭いが充満していたことから、何らかの弾みでポリタンクに火がついたとして捜査が始まるが、同じ現場に居合わせて怪我を負った連中が、被害者の後頭部から突然火が上がったと証言するなど、火災が発生した原因については手がかりがつかめない。

マスコミの唱えだしたプラズマ説を検証するため、草薙は大学時代の友人、湯川の元を訪ねる。現場を再び訪れると、一人の少女に出会う。その子は事件当日、「赤い糸が見えて、それを探していた」と話していた。その言葉に興味を持った湯川は、ある工場に目をつける

 

 

短編です。シリーズの一番最初は、読んでおいてもいいと思います。なんなら一番面白いかもしれません。物理学者である湯川は、物理学者らしい視点から事件の真相を追及していく構図は、探偵ガリレオらしく、シリーズの根底だと思います。長編ではそこまで物理が関係ないこともあるので、短編こそがガリレオの真骨頂でしょう。

 

 

 

ガリレオの苦悩

ガリレオの苦悩 (文春文庫)

 

マンションから一人の女性が転落死した。死体に鍋で殴られた痕跡があったことから他殺の可能性も浮上し、捜査一課が担当することになった。そこへ被害者の大学の先輩である岡崎光也が名乗り出て、営業のため被害者宅を訪れたと申し出る。彼はマンションを出た後しばらく近所に居て、そのあと被害者が転落する場面を目撃し、そのときピザ屋の店員にぶつかったというアリバイを主張する。新人女性刑事の薫は、女性用の下着が入った宅配便が玄関前にあったことなどを理由に岡崎が被害者と恋人関係にあると睨み岡崎に疑念を向けるが、離れた場所にいてどうやって被害者を転落させたのかはつかめないでいた。

そこで薫は草薙に頼み込んで、以前捜査協力をしていた湯川に協力を仰ぐことに。だが草薙から紹介状を受けた湯川には協力する意思はなく頑なに協力を拒むのだった。落胆した薫だったがトリックに関する自分の仮説を述べたことで湯川に「価値の無い実験は無い」という言葉を送られ、自分の説の検証に挑んでいく。

 

 

こちらも短編です。『容疑者Xの検診』の後の話になります。前作で友人と対立した湯川は、前作の心の傷も癒えぬままに恩人とも対立することになります。こちらではドラマシリーズで登場したキャラクター内海薫が、原作に登場することになります。すっかり東野圭吾のお気に入りキャラクターなのかも知れませんね。

 

 

 

 

禁断の魔術

 

禁断の魔術 (文春文庫)

ある年の5月、一人の青年・古芝伸吾が理工学部物理学科第十三研究室を訪れる。伸吾は高校時代に湯川から科学を学び、その魅力に感銘を受けて帝都大学を受験、合格を果たし、湯川のもとへ挨拶にやって来たのだ。しかしその日、伸吾の姉が都内のホテルで死亡した。

約10ヶ月後の3月、一人のフリーライターが殺害される事件が発生した。容疑者として捜査線に浮上したのは、湯川の教え子・古芝伸吾であった。伸吾は姉が死亡した直後に帝都大学を退学し、金属加工品製造会社へ入社したが、警察が捜査を始めた直後に失踪していた。その後の捜査で、古芝伸吾が殺人を計画していることが判明する。しかも殺人方法は、かつて湯川に教わった技術を改良したもので、すべては姉の敵討ちに起因していた。

 

 

元々は短編の一つとして単行本で世に出たのですが、大幅に加筆されることになり

文庫では単独で一冊の本となりました。この巻で扱われる超常現象は、「レールガン」です。電磁で物体を加速させて放つ技術を湯川が愛弟子に伝授したことで、事件は複雑になっていく。個人的にはレールガンが興味を引くので好きです。

 

 

 

 

 

聖女の救済

聖女の救済 (文春文庫)

真柴綾音と真柴義孝夫妻は子供ができないことを理由に離婚することが決まっていた。その時綾音の胸中には義孝へのある宣告が下されていた。

数日後、綾音が主催するパッチワーク教室の講師である若山宏美が自宅で死んでいる義孝を発見する。死因は毒殺。彼が飲んでいたコーヒーに、猛毒である亜ヒ酸が混入されていた。そして捜査に当たった草薙は一目見た綾音に惹かれてしまう。一方薫は些細な事から綾音の犯行ではないかと疑念を抱くが、その考えを巡り草薙と対立してしまう。そして綾音には犯行当日まで北海道の実家に帰省していたアリバイがあり、毒物の混入経路も依然として不明のままだった。

 

完全犯罪です。湯川はかなり事件の真相について悩むことになります。犯人の視点で物語が始まり序盤から、犯人はわかる構図です。しかし、犯人には絶対的にはアリバイがあったのです。果たして犯人はどんなトリックを使って、殺害をしたのか? 真相は案外単純なことなんですが、あの湯川が苦しんだのでオススメです。

 

 

 

 

僕はドラマのイメージが強かったかので、原作との違いもあって楽しかった。新作の映画「沈黙のパレード」も見てみたいこの頃です。