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『デケバルス』軍人皇帝トラヤヌスと戦ったルーマニアの英雄

デケバルスはダキア族の王で、五賢帝時代のローマと幾度も戦い祖国の威厳のために奮闘した英雄です。ダキアは現代で言うルーマニアに位置する場所で、ルーマニアで国民的英雄として映画などになることもしばしばあるようです。

 

 

 

生涯

 

即位まで

 

デケバルスの出生についてはわかっていません。先代のダキア王が崩御してからダキアは5つに分裂することになる。バラバラだった国を一つにまとめて、王位を継承したのがデケバルスと言われています。先代の王がローマへの小規模の攻撃をしていたようで、即位したデケバルスは軍を引き継いでさらに南に積極的な侵攻を開始した。ローマ軍を打ち負かしたデケバルスは、ローマの領土を手に入れる事になる。これによってローマ皇帝であったドミティアヌスはダキアに軍を送り込んで、侵攻を阻止する必要になる。しかし、ローマ側も思惑通りには進まない。ドミティアヌスに対して反乱が起こったのだ。ローマはダキアとの協定を結ぶことになり、ローマにとっては屈辱的な内容となった。

 

トラヤヌスとの戦い

 

 ローマは最盛期を迎えて五賢帝に数えられるトラヤヌスは即位したことで、ダキア問題の解決に着手することになる。トラヤヌスはダキアの国境沿いに要塞を建設させて、3年後には侵攻を開始した。この第一次ダキア戦争は、ローマ軍の勝利でした。兵力はローマ側が数倍だったが、デケバルス軍が奮闘したことで、戦いは五分五分と言えるものでした。しかし、アダムクリシの戦いでは極寒の地で凍った川で戦うが氷が割れて多くの兵士が凍死することになる。地の利を生かした戦いで耐えたダキア軍でしたが、一旦は降伏することになった。

 

第二次ダキア戦争はデケバルスから仕掛けました。ローマに奪われた領土を取り返すことに、没入したデケバルスは、周囲の部族と合併、ローマからの脱走兵や難民を取り得れて軍を再編成して、ローマの侵攻を待つことなく兵を動かした。ゲリラでローマの領土を襲撃するなど大国に勝つための方法を模索するようになる。トラヤヌスの暗殺も計画、トラヤヌスの側近捕虜にするなど、次々と計略を立てますがどれも失敗したようです。

 

その間に大軍を準備していたトラヤヌスは、ついにダキアへの侵攻を開始します。トラヤヌスはデケバルスに降伏することを薦めますが、これを拒否したことで首都を直接攻撃された。すでに周囲に同盟国はローマに寝返っていたようで、ダキア軍はあっという間に滅ぼされた。家族を連れてデケバルスは逃げることに成功します。デケバルスと支持者はゲリラ攻撃を続けたようですが、次第に追い詰めれて、ついにデケバルスは捕虜となることを拒んで自らの喉を切りつけて、自害したのでした。

 

デケバルスが亡くなったことでダキアはローマの領土となり、トラヤヌスとデケバルスの戦いは現代まで語りるつがれることになりました。特にデケバルスがトラヤヌスに追い詰められて、自ら喉を切るシーンは彫刻になるなど、印象的なものとなった。