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『ブリテス・デ・アルメイダ』シャベル片手に戦ったパン屋のお姉さん

 

ポルトガルにはシャベルを片手に国民的な英雄になった女性がいます。

 

彼女の名前はブリテス・デ・アルメイダ。1385年に起こったアルジュバロタの戦いで、彼女は敵兵をシャベルで倒して釜で焼いた。ポルトガルの王位を狙ったカスティーリャの野望を打ち砕いたことで、ポルトガルでは国民的な英雄となり、伝説の女傑として語り継がれることになります。

 

ブリテス・デ・アルメイダは1350年にポルトガルのアルガルベで生まれたとされています。アルガルベはポルトガルの最南端に位置する土地で、貧しくも健康的に育った。

 

英語のウィキによると、両親が亡くなると、残った財産の一部を売却して、旅に出たそうだ。求婚者を気に食わないから殺したり、海賊に拉致されて逃げ出したり、男装して旅を続けたとされます。おそらくこの辺の旅のエピソードは創作でしょう。

 

旅を終えたブリテスはアルジェバロタで定住することを決めて、パン屋を開業しました。ポルトガル最高のパン屋とまで言われて、事業は順調。地元の農家と結婚することになり、ブリテスが幸福な人生を送った。

 

1385年にポルトガルの王フェルナンドが亡くなった。娘であるベアトリスが即位することになるが、長年続いた戦争で貧困に喘ぐ民衆による反乱や、過去の戦争で利益を得ていた貴族によって、悪政がひかれていく。

王の死で混乱するポルトガルに、悪意を持ち自身の利益を優先する者が現れた。それがカスティーリャ王国のフアン一世だ。カスティーリャの王であったフアンは、フェルナンドの娘ベアトリスと結婚していた。フェルナンドが亡くなると、娘婿には王位を継ぐ権利があるとかなんだかんや理由をつけて、ポルトガルへの進行を開始した。

 

そんな中でポルトガルを救う英雄が現れる彼こそが、ジョアン一世だ。後に大王と称されて、ポルトガルの基盤を作り上げる偉大な王である。フェルナンドとは異母弟の関係であり、武勇に優れてアビス騎士団の団長を務めていた。ジョアンの活躍でカスティーリャの進行を食い止めることに成功して、ポルトガルはここから世界を相手に戦える国力を得るくらいには急成長することになる。

 

話がかなり逸れましたが、このような時代の大きな変換で、ブリテス・デ・アルメイダは歴史の裏で伝説を作り上げていたのです。アルジェバロタの戦いでブリテスは民衆を引き連れて、シャベル一本で戦いに参戦して、勝利に貢献したのです。また一説によると、アルジェバロタが戦場になったことで、ブリテスのパン屋に敵兵が隠れていたとか。彼女は勇敢にも立ち向かい7、8人を殺して釜で焼いてしまった。いずれにしても、ブリテスの活躍があって戦いに勝利した。この戦いでの勝利が、カスティーリャに決定的なダメージとなったことは確定的である。

 

ブリテス・デ・アルメイダは伝統的な物語として語られるようになり、1927年にはポルトガルで切手のデザインに採用された。