恥ずかしながらクリストファー・ノーランの名前を知ったのは、割と最近だったりする。ノーラン作品そのものは、子供の頃から知ってました。バットマンビギンズとか、インセプションとか、特にバットマンシリーズは好きでした。
最近知り合った女性が映画好きで、「ノーランが好き」だと言っていて、軽い気持ちで調べたら、バットマンの監督で、更に衝撃的だったのが監督作品の殆どを僕が知っていたことでしょうか?
インセプション、インターステラー、プレステージ、ダークナイト、どれも初めて視聴した時は、もう一度見たいと思っていましたが、まさか、どの作品も同じ監督の作品だったなんて思いもしませんでした。どれも、僕の好みで最高の映画だと思う。
そんな感じでノーラン作品の最新作テネットも見ました。少々プロット、話の構成が特殊であることと、物語のキーとも言える「時間の逆行」関する映像表現が独特であるから、二度見ないとよくわからん、となるのかもしれません。それが難解と言われる理由なのではと思った。
そもそもクリストファー・ノーランとは
1970年にイギリスで生まれた映画監督で、1998年に「フォロウィング」で長編映画デビューをすると、二作目の長編作品「メメント」で一躍注目を浴びることになり、アカデミー賞を獲得した。期待に答えるように、新バットマンシリーズの第二作「ダークナイト」が世界的にヒットしたことで、世界的な監督しての地位を得る。
その後も「インセプション」「インターステラー」「ダンケルク」と次々に話題作を発表していき、2020年には「テネット(TENET)」が公開された。
ノーラン作品の特徴
時間
ノーラン作品の特徴と言えば「時間」の使い方だろう。
「インセプション」は夢の中に潜り人のアイディアを盗んだり、記憶を埋め込む物語だが、夢の深部、より深く夢に潜って行くと時間の経過が遅くなる。
「インターステラー」では相対性理論を元にした時間の経過が描かれていて、主人公が長い旅から帰ってくると、幼かった娘は老衰でなくなる寸前だった。
第二次世界大戦の「ダイナモ作戦」を描いた「ダンケルク」では、陸の一週間、海の一日、空の一時間、が同時に進行していく。
「メメント」では順行に話が進むパートと、過去を断片的に逆行して回想するパート、この二種類のパートが交互に進む。かなり複雑な構成になっている。
「テネット」では「時間の逆行」と言うタイムトラベルとはまた違う特殊な時間の操作能力的なものが登場する。簡単に言えば、時間が逆に進む。立ち上がってリモコンを操作してテレビの電源を入れたとしたら、電源が切れてリモコンが元の位置に戻って座る(例えが悪い)つまり結果と過程が逆になるのだ。しかしタイムトラベルではないので、過去に一年逆行するなら一年歳を重ねることになる。
CGを嫌う
出世作である「ダークナイト」では、ビルの爆破、トレーラー回転させたり、飛行機を落としたり、と本物を使った映像でド派手な映像を撮っている。
その他にも「インセプション」では無重量を表現するために360度回転するセットを制作、「インターステラー」では500エーカーのとうもろこし畑を準備した。(東京ドーム45個分らしい)もはやイメージできない。
「テネット」では、ジャンボジェット機をド派手に壊してます。なのでノーラン作品の製作費は数十億も使われている。
さすが世界的な監督って感じです。
同じ俳優を起用する
ノーラン監督は気に入ったスタッフを積極的に起用することで知られる。例えば、ハンス・ジマーは6作品で映画の音楽を担当して、編集担当したリー・スミスは7作品に携わっている。これは俳優や女優にも言えるので、今回は少しだけ紹介してみようと思う。
アン・ハサウェイ
2作品でノーラン映画に出演している。「ダークナイトライジング」では、キャットウーマンを演じ、「インターステラー」でも主要キャストして登場した。
トム・ハーディ
「インセプション」「ダークナイトライジング「ダンケルク」と三作品でノーランと仕事をしている。「ダークナイトライジング」では筋肉ムキムキの敵キャラ「ベイン」を演じた。
クリスチャン・ベール
人気の俳優の一人であるクリスチャン・ベールも、ノーランに気に入られた俳優であり、シリーズものである「バットマン」三作品と「プレステージ」で主要人物を演じた。特にバットマンを演じたことは有名だろう。
マイケル・ケイン
おそらく最も多くノーラン作品に登場しているのはマイケル・ケインだろう。
「バットマン」シリーズ三作品をはじめ「プレステージ」「インセプション」「インターステラー」「ダンケルク」「テネット」と九作品に登場している。
個人的にオススメのノーラン作品
難解と言われることもあるノーラン作品ですので、大衆向け?からだんだん小難しいけど、オススメできる面白い作品を紹介していこうと思います。
入門編(とりあえず、なんか見たい人向け)
バットマンビギンズ
バットマンの正体であるブルース・ウェインにクリスチャン・ベールを起用したノーランによるバットマンシリーズの第一作。実は過去にもバットマンは実写化されているが、現状はノーランバットマンが最も秀作とされています。内容としてはノーランらしい重厚で暗いイメージで、バットマンの誕生秘話を描いた作品です。
プレステージ
19世紀末に二人のマジシャンは事故によって仲違いしてしまう。両者は敵対心おろか殺意すら剥き出しにして、互いを邪魔しまう関係になっていく。その二人をヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが演じている。なかなか面白い配役だと思います。結末はどんでん返し系だったりするので、見応えのある映画です。まさかの結末とトリックに驚愕しました。
ノーラン中級(ちょっと小難しくなる)
インターステラー
世界を守るために、娘との約束を守るために、男が立ち上がる映画です。相対性理論によって時間経過に違いが生じることを頭に入れて見るといいかも。結構面白いです。個人的にがノーラン作品で一番好きかもしれません。
インセプション
主演のレオナルド・デカプリオを起用したノーランを代表する作品の一つです。夢の中に入り込む産業スパイの話。なんやかんや使い古された設定ですが、ノーランに味付けされると、人間の脆さを描いた暗い話になってしまう。夢の中でのルール(設定)を念頭に入れて置くと、ラストの意味がわかるので、すっごく楽しめる映画になる。
上級者向け(何回か見ないとよくわからない)
ダンケルク
第二次世界大戦のダンケルク撤退を描いた戦争映画で、ノーランにとっても初の戦争映画だったりする。ダンケルクの撤退はイギリスとフランス両軍合わせて、33万人の兵士を860隻の船で運んだ撤退作戦で、多くの民間船が撤退に協力した。
映画の内容としては少々小難しい。劇中での会話は少なく淡々と話が進んでいき、しかも「陸」の一週間、「海」の一日、「空」の一時間、が同時に進行していく。わかりにくい構成になっている。本気で楽しみたいなら、歴史の勉強をするといいかも笑
メメント
10分しか記憶が持たない主人公の復讐劇。何が難しいって、時系列がそのままのモノクロパートと、時系列が逆向きのカラーパートの二種類があって、途中で反転する。意味がわからない。説明できません。新作であるテネットに通ずる時間操作ですが、こちらはかなり難解な構成になっている。人にオススメする映画ではないですが、「俺に任せろ」みたいな人は是非ともチャレンジして欲しい映画です。結末としては主人公は人間らしい弱さを持った悪人って感じです。
まとめ
と言うわけで、クリストファー・ノーラン監督作品をご紹介させてもらいました。ノーラン作品は構成にトリックがあったり、全体的に暗い話が多いです。ジャンプ漫画に例えるなら、「ワンピース」よりも「ナルト」「ハンターハンター」が好きな人には結構ツボにハマる映画ばかりだと思います。根拠は僕です。(ワンピースが嫌いなわけではないよ)思い当たる人にオススメします。