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【カエサル】政治家でもあり軍人。天才と呼ばれた「ハゲの女たらし」

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日本でハゲと言えば、あんまりいい印象を受けませんが、西洋の方ではそこまで悪い印象はないようで、ハゲや体毛の濃さは男らしさを象徴する。とは言え「ハゲの女たらし」と呼ばれたカエサルが生きた時代のローマでは、華奢で中性的な男性がモテたそうです。現代の日本人みたいですね。

 

そんな時代でもカエサルはかなりモテました。複数回の結婚を経験して、かつ愛人も何人もいたようですが、修羅場は一度もなかったと言われています。

 

「ハゲの女たらし」以外にも、カエサルは「借金王」とも呼ばれていましたが、民衆からあつい信頼を得ていました。今回はそんな魅力溢れるカエサルについて書いていこうとおもいます。

 

最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

幼少期

カエサルの本名は「ガイウス・ユリウス・カエサル」で父親も同名の名前だったとされます。実はカエサルの幼少期のことはよくわかっていません。カエサルが青年期に当たるローマは戦争に明け暮れていたので、文献が残っていないそうです。


ですが名家の出身であったことは確実で、叔父が政争に敗れて19歳にして亡命を経験します。当時のローマはマリウス派とスッラ派で別れていたのですが、マリウス側が敗北。叔父がマリウス側だったのでカエサルは命を狙われることになり、亡命するしかなかったのでした。

 

ローマに帰還

 

亡命する原因となったスッラが亡くなり、カエサルはローマの地を再び踏みます。反スッラ派達がチャンスとばかりに、攻勢を仕掛けますが、カエサルはこの動きに便乗することはありませんでした。


ではなにをしていたかと言いますと、

 

 

弁護士です。

 

 

しかし、弁護士としての才能はなかったようで、連戦連敗。さらに有力者を告発して、失敗してしまったことで再びローマでの生活が危うくなりました。

 

 

カエサルは己の力のなさを自覚したようで留学することにするのですが、カエサルを乗せた船が海賊に襲撃されてしまい拉致されます。カエサルはあろうことか、身代金の低さに文句を言い出して身代金を増額させたのでした。とんでもないメンタルです。さらにカエサルは無事に解放されると即座に人を雇って討伐隊を組織して、自身を捕らえた海賊を仕返しとばかりに捕らえて処刑しました。

 

以上、カエサルが英雄になれた資質を垣間見れたようなエピソードです。

 

歴史の表舞台に

 

カエサルは30歳を越えた頃アレキサンダー大王の像を前にして「アレクサンドロスが世界を制覇した年齢になったのに、私は未だに何も成し得ていない」と口にしました。

 

誰よりも成り上がる気持ちが強かったカエサルは40歳にして執政官(今で言う総理大臣)に就任します。当時のローマは貴族と平民の貧富差が激しく、元老院(貴族達)に権力を集まっていて、実質貴族によって国は牛耳られていました。

カエサルはこれまでにない改革を進行していきます。元老院の会議の内容を公に公開する。貴族によって不正に奪われた土地を返却させることで、失業者(ローマ人口の7%)に仕事を与えるなど、民衆の味方をする改革を進めていき民衆に好かれていきます。

 

執政官は最大で一年しか就任することはできないので、カエサルは一年で退任してローマを去ることになりました。執政官を退任した者は、他国に遠征することが習わしになっていたので、カエサルはガリア(フランス)に向かいました。

 

ガリア遠征

 

ガリア人はローマ人とは全く違う言語を習慣を持った人々で、ローマ人を侵略者と見なして激しい戦いが起こりました。カエサルは軍人としての才覚を思う存分発揮して連戦連勝。ガリア人を捕虜にしますが、友好的な者達は受け入れる体制を取ることでガリア人を味方につけて、約7年の歳月をかけてカエサルはガリア全土(イギリス、ドイツ)を統一しました。

 

この朗報にローマの民衆は騒ぎ、もう一度カエサルが執政官になることを望みます。しかし元老院はこれを望みません。そもそもカエサルの政界復帰を元老院がよく思うはずがありません。カエサルは元老院の力を拡散して民衆に味方するような男です。特権を奪われることを恐れた元老院はカエサルの邪魔を考えます。

 

ローマの法律には軍団を解放しなければ、ローマに入れない法律があったそうです。たぶん、力を誇示した状態ではいけないみたいな感じでしょうか?

 

そんな感じでカエサルは悩みます。そして「賽は投げられた」の一言でローマに突入。高を括っていた元老院達と内乱が勃発して、カエサルは勝利を納めて、ローマの独裁官(元老院以上の存在)に就任しました。


「ブルータス、お前もか」

 

数々の改革を行っていったカエサルでしたが、独裁官になった5年後に暗殺されます。カエサルは君主制を実現させることで強いローマを復活させることを望みましたが、ローマの変化を恐れた元老院に約40人に囲まれて滅多刺しにされるという、惨いことをされます。暗殺に参加したほとんどが、かつて敵対していた元老院達で、寛容なカエサルによって許してもらい、以前と同じ役職に戻してもらった人物達でした。とんでもない薄情者です。そんな薄情者たちも、二年もしないうちに、民衆に殺されたそうです。

 

まとめ

 

どうでしたか、ハゲの女たらしは? 貴族に生まれたとはいえ、人生の前半は負けが続いていたので、典型的な大器晩成型だったと思いました。大器晩成だからこそ、下の人間の気持ちもわかったりしたのかとも思いました。