フランク王国のカール大帝は、フランスとドイツ(オーストリアと神聖ローマ帝国)の両国の始祖とされている。なので、ドイツでは「カール」フランスでは「シャルル・マーニュ」と呼ばれ、どっちも避けて英語で「チャールズ」なんて呼び方もあるみたいです。
ややこしいの極みですね。まあ、とにかくカール大帝は在位の期間に50回以上の戦争をすることで、ヨーロッパを統合しフランス、イタリア、ドイツ辺りの西ヨーロッパを統一を成功させた偉大な国王なんです。
カール大帝の生涯
カールはピピン三世の長男として生まれた。ピピン三世はフランク王国に仕えていた名家「カロリング家」の人間だったのですが、クーデターを起こしてフランク王国を乗っ取ることに成功した人物でした。ピピン三世が亡くなると、カールは弟のカールマンと分割して王国の領土を相続することになります。
ほどなくしてカールマンは亡くなり、カールは単独でフランク王国を治めることになりました。カールとカールマンは仲があまりよくなかったので、もしかしたら暗殺もありゆるかも知れません。(ないかな)
即位後のカール大帝は戦争に明け暮れた。在位期間は約46年で、50回を超える戦争をしたとされます。西とか東ではなく全方に領土を広げていったカール大帝は、とりあえず、ドイツ北部にいたゲルマン人とのザクセン戦争を起こした。着実に勝利を重ねていったカールはフランスはもちろん、オランダ、ベルギー、ドイツ、辺りの全領土、スペインやイタリアの一部を征服してブリテンを除く西ヨーロッパ全域を統一した。
アッティラの猛威をきっかけに始まったとされる「ゲルマン民族の大移動」で、混乱していたヨーロッパはカール大帝が平定したことで安定したのでした。
カールはただ領土を広げただけではなく征服した各地で住民だけではなく都市そのものをローマのカトリック教に改宗させたのだ。なかなか言うことを聞かない連中には強引に力で言い聞かせたりと横暴ではあったが、キリスト教を広めたことは評価されて、西ローマ皇帝の称号を継承した。
カール大帝は、ゲルマン文化、キリスト教、古代ローマの伝統を各国に広げたことで「ヨーロッパの父」と呼ばれることになる。カールは息子に王国を譲り、814年に67歳で亡くなった。カールの死後フランク王国はフランス、ドイツ、イタリアに分裂してしまった。
カール大帝の人物像
ざっくりとしたカール大帝の生涯をご紹介させてもらいましたので、お次はカール大帝の人物像に迫っていこうと思います。とは言え大した内容ではありません。なんとなく雰囲気こんな人だったと頭の中で薄っすらと、想像して楽しんでください?
容姿と能力
伝記によると195センチの長身だったとか。子供の頃から頭一つ飛び抜けて体が大きかったので、水泳、馬術、狩猟などのスポーツが得意だったようです。特に水泳は誰も勝てなかったみたい。
服装は簡素で動きやすい物を好んでいたようで、冠を被った肖像画の格好はあんまり好きではなかったようです。服装からも見えてきますが、生涯で50回も戦争するような好戦的な性格が見えてくように思いました。
反面、字(ラテン語とギリシャ語)の読み書きができなかった。なので署名するときは文字の一部しか書かなかったとされる。とは言え食事中に歴史書を読ませて熱心に勉強したとされる。努力の結果、ラテン語は聞き取ることも話すことも可能になり、ギリシャ語は聞き取れるレベルになったのでした。
恵まれた血筋に体格だけではなく、努力もしてきたからこそ歴史に名を残して「大帝」と呼ばれたのでしょう。
家族関係
次に紹介するのはカール大帝の残念な一面とも取れる部分です。カール大帝は生涯で5回の結婚を経験しています。なので五人の嫁さんに側室が約20人いました。それだけの周りに女性がいると、子供も20人いたようです。
それでカール大帝のあかんところなんですが、嫁がたくさんいたとかではなく、娘や妹を寵愛したことにあります。娘たちを可愛がり、結婚を一切許さなかったとか。なので娘達はかってに結婚したり、未婚のまま子供を産んだりとスキャンダルを引き起こした。
一説では娘を大事にするあまり、近親相姦の関係にあったとも。また、妹のギセラとも関係を持っていたとされていて、その間に生まれた子供が「シャルル・マーニュ伝説」のローランのモデルになった人物とされる。
もし、これが本当なら中々横暴な野郎である。
影響
カール大帝はその影響力の高さから多くのモデルになっています。例えばトランプ。トランプの絵柄にはヨーロッパの歴史上で重要な人物が選ばれていて、カール大帝はその中でもハートのキングを担当しています。
次に物語。最も有名なのが「シャルルマーニュ」です。この物語は8世紀から9世紀を部舞台にしていて、カール大帝をモデルにした「シャルルマーニュ」とその有能な部下「シャルルマーニュ十二勇士」の活躍を描いた作品です。
それ以外にも、九偉人にも選ばれています。
終わりに
今回はカール大帝に関して書かせてもらいました。
最後までありがとうございました。